排土用貯留槽(大口径推進での使用)

前回、貯留槽(タンク)の説明をしました。20㎥の角タンクの写真を添えましたが、今回の投稿で掲載しているタンクは、32㎥と26㎥の2基を同時に設置して使用しています。推進工事で使用するタンクとしては大きく、まして2基ですから相当量の土砂を貯留する必要がある工事です。

この工事は、呼び径φ2600mmの泥濃式推進で、距離は120mほどですが、掘削土・作泥量も多いので、このような設備になったと考えます。
推進工事では、管呼び径・推進距離でおおよそ排土量は求められます。
このときの排土量は、
掘削外径(マシンのカッタ外径部分の直径(m))2×円周率/4×推進延長+作泥材の総量で計算できます。円柱状のマシンやヒューム管ですので、このような計算になるのです。
この工事では、
掘削外径3.06m×3.06m×3.14/4×120m=882㎥ が総掘削量となり、これに作泥量を加えた数量を排泥量としています。
例えば、作泥量を掘削量の50%分(=注入率)とした場合、882㎥×150%=1,323㎥が排泥量になります。
1日に3m進むと、3.06×3.06×3.14/4×3m=約36㎥を排出することになり、写真の36㎥タンク1基では貯留することができないので、もう1基必要になります。
このように、掘削量と1日に進む距離(=日進量)、さらには、排泥を処理場まで搬送するバキューム車の輸送回数を考慮して、貯留タンクの大きさや数量を考えなければなりません。
そして、大きなタンクを設置する敷地も必要になりますので、排泥量と排泥の輸送は推進工事の進捗を左右するので、タンクの選定・設置方法も重要になります。


今回は推進工事でのタンクの利用と重要性を記述しましたが、現在私が携わっている浚渫工事でも、狭隘なスペースにタンク3基を設置して河川の土砂回収に貢献しています。
タンクが必要不可欠な土木工事で、私は機材の運転状況・故障の修理とタンクに貯留された土砂を見ながら、汗だくで現場の対応をする日々を送っています。

どうぞ、現場の皆さま、熱中症に気を付けて、ご安全に!

排土貯留槽と油圧ユニット

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