工事用の資材について
建設工事では、様々な資材が使用されます。立坑ではシートパイルやライナープレート、立坑内ではH型鋼、コンパネ、地上では単管パイプや敷き鉄板、コンパネ、etc
毎工事に使用する資材は同一のものもあれば、工事の規模によってもサイズや寸法が変わります。なにせ、立坑の大きさも地上設備の占有地の広さも同じことはほぼありませんから、定尺の資材にプラスαが追加されるような感じでしょうか。
前回投稿した円形立坑では、ケーシング立坑と呼んでいる鋼板を円柱型にした資材を使用しますし、推進工事では元押ジャッキを使用する際に、必ずH型鋼(H鋼)を使用します。また、地下をマシンで掘削することにより排出される掘削土を坑外へ搬送する配管材が必須になります。(刃口推進や土圧式推進ではトロバケット式が大半ですが。)
小口径推進では、主に泥水式・土圧式(吸引排土方式)に使用されている配管材(鋼製管と管を接続するジョイント)や中大口径推進では、ほとんどの工法で使用されていますが、ヒューム管内部に設置するので、小口径推進では、2B(50A)~3B(80A)の鋼管になります。中大口径推進では、4B~8Bを主に使用します。大抵は、マシンの呼び径によって鋼管サイズは決まっていますが、泥水式推進では送泥水用と排泥泥水の2ラインを設置しますし、泥濃式推進では、5Bは塩ビ管や樹脂製の配管を使用しています。大口径の泥濃式推進ではマシンが掘削する排土量が多いので、6Bを2ライン使用する場合もあります。
この配管材ですが、発進立坑内や坑外までの箇所は、この鋼管を使用せずにカナパワーホースやサクションホースといった耐圧・耐久力もあり曲がり易いものを使用しています。これは、ヒューム管のセットがし易くするため、泥水式推進では立坑バイパス廻りの曲がりが必要な箇所、泥濃式推進ではこのホースのたわみがミソであることなどもあり鋼管を使用していません。鋼管を使用する際に曲がる箇所が必要な場合は、”エルボ”と呼んでいる曲がりの接続配管を使用します。曲がり角度が45°や90°であったり、曲率半径Rで示されたベント管という曲がり用の配管材もあります。
土砂の排出に使用する鋼製配管材は、ヒューム管の長さに合わせて2430mm(2.43と呼んでいます)で準備されていて、両端はSカラーというリングが溶接されています。配管材の接続は、ビクトリックジョイント(通称ビクと呼んでいます)でSカラーを合わせた箇所にビクトリックジョイントを被せるように固定します。ビクも結構重いですし、配管材の接続ってコツ要ります。配管材の接続は、発進立坑内での段取り替えの際にホースや動力線の延長接続ともに作業されますので、あっという間ですが、ヒューム管の本数分の配管が必要になるので、この本数分の接続回数があるということになります。そして、ホース類に至っては、滑材注入に使用する耐圧ホース(1B~2B×10~20m)や裏込め材を注入するためのグラウトホース、土圧式・泥濃式では添加材を注入する送泥用ホースやエアーホースも使用されています。これらのホース類も、管呼び径に合わせてホースの口径や長さを変えて使用されています。
推進工事では、資材だけでも多品種の素材を使いますし覚えることがたくさんあるので、とても大変な作業がご理解できると思います。