小口径推進・中大口径推進(その10)

前々回の・・(その8)では、ボーリングデータについて触れてみましたが、工事の計画図面で見かけるもので、”平面・縦断図”というものがあります。下図のように、管渠布設する場所・距離・線形・立坑深さ・地質などの様々な情報を網羅しています。この図面を読み切らないと、工事概要が把握できません。また、この図面以外にも、工事の設計書というものが工事が発注されると、これらの資料により建設会社が工事金額を算定して入札します。この設計書や工事図面を民間の設計を専門とする会社が計画する、その計画の骨子として工事代金の積算や施工の可否判断を○○協会といった推進工法を扱う団体が挙って提案しています。
この平面・縦断図やボーリングデータを見れば、1日どれくらい工事が進むか、とか難しい工事だなあと判断がつきます。通常は、道路の幅員や曲がりくねりに合わせて管渠布設が計画されるので、自ずと埋設管(ヒューム管)も曲げなくてはなりません。地下を掘るのに行き先は地下で何も見えない、そして曲がる、遠くまでヒューム管を推し進める、こんな難しく複雑な工事ですから、トラブルはつきものです。私も多くのトラブルに遭遇しましたし、失敗も経験しました。
工事を進めるにあたって、穴を掘る・掘削した土砂を搬送するという行為は機械が担いますが、すべて人間が動かし、管渠を測量して管理するわけですから、作業員の方々は相当の技量と経験値、そして緻密な事前計画が必要になります。全国の推進工事を行う専門会社の方々は、これらの知識や経験をたくさん積まれ、その地域の地質や周辺環境・特性などを把握していますし、トラブルが発生しても最後までヒューム管を貫通させる努力を惜しみません。このような業界と関係企業があることで、人々のライフラインが完成されていることをご理解いただけたらと思います。

φ1350mm平面縦断図
φ250mm縦断図、土質凡例

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